「全く、何やってるんですかぁああ!!」

「ゆーひさんのばか!!」

「夕緋さんアホですか!?」

仲直りしに行かなかったから、みんなに怒られてしまった。

でも洋一たちもみんなも俺にチャンスを与えてくれた。

「何度だってやり直せるんだよ。いってらっしゃい」

「まだチャンスはあるんだよ、行ってらっしゃい」

「大丈夫だから行ってこいよ」

「行ってこい」

そういってみんなは俺を送り出してくれた。

みんなの一言一言が胸に突き刺さって、昔の自分がどれほどみんなの気持ちを考えないで弱かったのかが痛いほど分かった。

チャンスをくれた。それはきっと「逃げるな」っていう琉輝からの警告だと思う。

ここまで、長くて長くて、歩く道のりさえも嫌になったけれど、12月20日。

カフェの前に立った。

 

すぅーはぁーと深い深い深呼吸を一回して、ドアをギィっとあける。

ゆっくり顔を上げ、店内を見回すと洋一たちは俺の方を向いて待っていた。

静かな店内にもう一度ギィッと音を響かせ、ドアを閉めると、外の空気は遮断され、一気に暖かくなった。

一足進んで、その場に立つと、洋一が一言

「来るの意外と早かったなぁ?」

皮肉をたっぷりと込めた言い方でふっと笑うとそれに続けるように真尋も口を開いた。

「今日は前みたいにずっと待っていなくても済みそうだねぇ!」

こいつもまた皮肉を込めて言う、

「そうですね。前回はかなり待ちましたもんね?カフェの中で一夜を過ごしましたっけ?」

真尋の言葉に返すように敬矢はこちらを向いて、右手を顎に沿え首をかしげる。

どいつもこいつも言ってくれるな...と内心怒りにあふれていた。どうやらそれが顔に出ていたようで、きつーく引きつった笑顔が怖いと注意された。

「ひとまずまあ、四人集まったことやし、始めるか!!」

洋一が場を引き締める。

「そうだねぇ」

「そろそろお遊びはここまでにしないとですね」

真尋と敬矢もそれに続く、

よし、これから

「あの日の仲直りをしよう」